会話のきっかけレシピとは?

書籍「会話のきっかけレシピ」発売中!

2019年5月に大月書店から発売。定価1,600円+税 です。
出版社の書籍紹介ページはこちら(試し読みができます!)

なにげない雑談が「なんとなく苦手」人付き合いが「なんかしんどい」…
そんなモヤモヤした悩みとヒントを「見える化」するのが「会話のきっかけレシピ」です。
モヤモヤを言葉にできると、気持ちがぐっとラクになります!

本ができるまでの悪戦苦闘を、大月書店noteに5回連載しました。
「ASDの私が雑談本を作るまで」はこちら

●どんなもの?

「会話のきっかけレシピ」は、「なにげない雑談」が苦手な人のために、いろんな人から会話をたくさん収集して共有しよう、というプロジェクト。
たとえば…

こういった「声かけ」や「返事」のひとつひとつを「レシピ」と呼んでいる。

●こんな方に…

  • 仕事の時間より、休憩時間が苦手
  • 人といると、「何かしゃべらなきゃ」と焦ってしまい、どっと疲れる
  • 笑顔が大事なのは分かるけど、緊張しちゃって笑顔どころじゃない
  • 「適当にしゃべればいい」という、その「適当」が分からない
  • 人づきあいが「なんかしんどい」「気が重い」。でも、何が問題で困ってるのかよくわからない

●歴史

「会話のきっかけレシピ」を作ったbako(枚岡治子)は、子どものときから人付き合いがどうにもうまくいかず、対人恐怖気味だった。とくに、「顔見知り程度」の人と何を話したらいいか分からず、逃げ回っていた。
その一方で、「この人は話が合う」と思い込むと密着して機関銃トークを浴びせてしまい、嫌がられることも多々あり。

こんな人間なので、学校を出て就職すると、人づきあいに大苦戦。
仕事の会話はまだしも、「なにげない雑談」がまったくできず、人がしゃべっているのを聞いてメモをとることを思いついたのが2003年。

具体的には…

  • 職場で、街中で、実際にみんなが交わしている会話をイラスト付きでメモする。
  • そこから拡張して、ある場面のイラストと設定を書き、知人友人と会ったときに「こういうときなんて言う?」と聞きまわる。
  • さらに、興味を持ってくれる人を集め、「こういうときなんて言う?」と出し合い、実際の会話のようにロールプレイをする。

ある程度たまってきたところで、「会話のきっかけレシピ」と名付け、2005年にギャラリーで展示(展示の写真はこちら
以後、展示・「会話のきっかけレシピ通信」の発行・ワークショップの開催・コミュニケーション講座の講師などをほそぼそと続ける。
2019年5月に「雑談の苦手がラクになる 会話のきっかけレシピ」を大月書店から発売。

●ポリシー

  • 雑談に「これが正解!」というのはない。ただTPOはある
  • まずは自分がラクになるのが大事で、笑顔を作るのも、相手への思いやりも後回し。
  • 「会話上手」を目指すのではなく、「最低限これだけやっときゃなんとかなる」というごくありふれた会話を集め、ごくごく低いレベルを目指す。
  • 「こういうのがいい」「よくない」という優劣をつけるとプレッシャーになるので、ジャッジメントはしない。料理のレシピのようにぜ~んぶ並べてお好きなものを使ってもらう。

●作ってみて、どう変わった?

初期は「自分が何が分からないかも分からない」状態だから、何も考えずひたすらメモするだけ。それでも、「手持ちのレシピ」が増えると、「何を話そう」という緊張から解放されて、ずいぶん気がラクになった
さらに、そこそこたまってきたものを眺めたり人に見せたりしていると、それまでは「なんかうまくいかない」としか言葉にできなかった自分の苦手な場面や、関係などが見えてきた。

手持ちの「レシピ」を増やし、悩みが整理できると、少しずつ「会話のきっかけ」で成功体験を積み重ねることができるようになり、自信がついてきた。
会話上手とまでは言えないけれど、人といるときに笑うことが増えた

<レシピ集めで発見したことTOP3>

  1. 「寒いね」「暖かそうなマフラーですね」など、見たまんまでイイ
  2. 声をかけられた場合の返事も、「寒いね」には「ホント寒いですね~」など、オウム返しでイイ
  3. むしろ、変に喋ろうとしないほうがイイ場面もある

昔は「面白いことを言わなきゃ」「とにかく何か喋らなきゃ」と焦ってばかりだったので、この3つを発見したことはとても大きかった。

使い続けていると、苦手だった「表情やしぐさのコツ」、正直分かっていなかった「何故、なにげない雑談が必要なのか」など、まだまだたくさんの発見が…!それらは本にまとめたので、ぜひ読んでください☆